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2018.07.21

Navy suit for Mr.H

数年前に定年を迎えられセカンドライフを謳歌されているH様ですが、現役時代は営業職として全国各地を回られたという事で、色々な話題を提供して下さり、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
東京も長かったそうなので、あちらの話題でも盛り上がりましたが、結局住むなら盛岡だよね。というお決まりの結論に達しました。

退職されたという事でしたが、元職場の集まりなど、スーツを着る機会がちょこちょこあるという事で、現役時代とは違うダークスーツをという事で、navyよりもさらに深いmidnightの生地でご注文をいただきました。

VITALE BARBERIS CANONICO”PRUNELLE”250gms

イタリアのカノニコ社のこちらのシリーズは、ウェイトが250gとライトウェイトですが、綾織できめの細かい光沢感が特徴の生地です。またお色もmidnightという事で、navyに比べると爽やかというよりも、色気、気品が漂い、よりドレッシーな雰囲気になります。
稀代のウェルドレッサーで、現代では当たり前になったコーディネートを生み出すなど、現代の服飾界に多大な影響を与えたウィンザー公が、スモーキングジャケット(タキシード)は、黒ではなくmidnight を好んで着ていたという話があります。それは、舞踏会や晩餐会などのブラックタイのイベントでは、ライトの明かりに反射した際、midnight の方が黒よりも深い色味になるからという事です。意外な感じがするかもしれませんが、、、そうなのです。(もちろん例外もありますが)

還暦をすでに迎えられているH様ですが、とてもスリムで数十年前の上衣がまだ着れるという事でしたが、退職されてから、パンツのウエストだけがキツくなったという事でしたので、全体的に程よいスリムフィットに調整させていただき、トラウザーズのウエスト、ヒップ周りだけは少し余裕を持たせ、お作りさせていただきました。

H様には、夜だけではなく、日中にもご着用していただき、navyとはまた一味違うmidnight の醸し出す気品のある雰囲気を様々なコーディネートで楽しんでいただけると幸いでございます。


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